老老介護には数々の問題点があるとされています。要介護者と介護者が互いに65歳以上であることが老老介護の定義です。そのときは介護者自身が「若いし体力的に自信がある」と思われる方がほとんどです。しかし、平均寿命が伸びている昨今、先が長い状態に目の前が真っ暗になってしまうこともあるでしょう。
老老介護の問題点として、精神的な負担が挙げられます。これは介護を受ける側、介護をする側双方にそれぞれ生まれやすい問題です。自治体などの介護サービスを受けていても、年齢を重ねることや、要介護度の変動によって互いのアプローチの仕方が変わります。更に物価高や社会情勢の変化によって、年金の受給に対し支出が増えていく現状も否めません。65歳以上の多くが年金生活者となるため、金銭的な問題も生じるでしょう。これらも精神的な負担に繋がります。
また、介護に時間がかかることも問題点となります。高齢になると体の動きが散漫となり、車椅子への移乗が難しい、次の動きへ移ることに時間がかかることもあるでしょう。また、朝起きてから、夜眠るまで、眠ってからも介護が必要なケースもあります。老老介護となると介護に掛ける時間が長くなり、介護をする側の休息時間が少なくなる可能性も否めません。
また、どんなに丁寧に時間を掛けて介護を行っていても、体力が衰えている老老介護では事故につながることもあるでしょう。介護者の腰痛が悪化した、移乗に失敗し要介護者が怪我をしてしまったというようなケースもあります。